タンブラーの知識

捨てる予定のこの水筒は何ゴミで出せばいい?

捨てる予定のこの水筒は何ゴミで出せばいい?

ソトマグ

使わなくなった水筒、どう捨てていますか?

私もなんですが、水筒って素材がいろいろあって、何ゴミで捨てればいいのか迷いますよね。

お気に入りのステンレス製水筒もいつかは寿命が来ますし、プラスチック製のものが割れてしまうこともあります。

パッキンや蓋だけ交換して使っていても、本体の捨て方に困ったり。

住んでいる場所によってもルールが違うみたいですし、そもそも粗大ゴミになるのか、リサイクルや寄付はできるのか…

本当に分かりにくいかなと思います。

私自身、タンブラーや水筒が好きでいろいろと集めているのですが、古くなったものを処分しようとしたときに「あれ?」と手が止まってしまいました。

ステンレス製は金属だけど、缶と一緒でいいのか?プラスチック製は燃えるのか?など、疑問だらけです。

そこでこの記事では、水筒の捨て方について、素材別の分類や自治体ごとの違い、捨てる以外の選択肢まで、私が気になって調べたことをまとめてみました。

正しい捨て方を知って、すっきり処分したいですよね。

ポイント

  • 水筒の素材(ステンレス・プラ)ごとの分別
  • 自治体によってルールが違う理由
  • 粗大ゴミになる水筒のサイズ基準
  • 捨てる以外のリサイクルや寄付の方法

「この水筒は何ゴミ?」の答えは自治体次第

まずこれが結論になってしまうのですが、水筒の捨て方には、実は「コレ」という全国共通の答えがないんですよね…。

水筒が「何ゴミ」になるかは、

「1. 素材(ステンレス、プラスチック等)」

「2. サイズ(粗大ごみの基準)」、そして何より

「3. お住まいの自治体(市区町村)のルール」という3つの要因で決まるみたいです。

このセクションでは、基本的な「素材別」の分類傾向と、注意すべきポイントを見ていきましょう。

ステンレス製水筒の捨て方

ステンレス製水筒の捨て方

ソトマグ

ソトマグでも人気のステンレス製水筒(魔法瓶タイプなど)ですが、これが一番迷うかもしれません。

ステンレス鋼(SUS304など)は、実は価値のあるリサイクル資源です。

ただ、自治体のゴミとしての分類は、その処理プロセスによって大きく2つに分かれるようです。

分類1:不燃ごみ(もえないごみ)

多くの自治体(例:千葉市、東大阪市、福岡市など)では、「不燃ごみ(もえないごみ)」または「不燃の小物」として収集されます。

これが一番一般的なケースかもしれません。

分類2:金属ごみ(資源ごみ)

一方で、横浜市のように「小さな金属類」として、資源ごみ(缶・びん・ペットボトルと同じ日など)として回収する自治体もあります。

札幌市にも「小物金属類」の回収制度があるようです。

なぜ「資源」なのに「不燃ごみ」?

「不燃ごみ」として収集された場合、その後の運命は自治体によります。

処理施設で磁石や手作業で選別されてから金属リサイクルに回される場合もあれば、選別されずにそのまま埋め立てられる場合もあるようです。

「小さな金属類」という分類がある自治体は、最初から金属資源として回収するルートが確立されている、ということなんですね。

プラスチック製水筒の分類

軽くて便利なプラスチック製水筒(トライタン素材なども人気ですね)。

これは自治体によって判断が真っ二つに分かれる、最も注意が必要な素材かもしれません。

分類1:不燃ごみ(もえないごみ)

千葉市などでは、プラスチック製の水筒も、金属製と同様に「不燃ごみ」として分類されます。

これは、その自治体の焼却炉の性能や、選別ラインの都合によるものと考えられます。

分類2:可燃ごみ(もえるごみ)

浜松市などでは、プラスチック「製品」は「もえるごみ」に分類されます。

これは、高性能な焼却炉で安全に焼却し、その熱をエネルギーとして回収(サーマルリサイクル)できるためです。

注意:「プラスチック資源」ではありません

多くの人が勘違いしやすいポイントですが、自治体が「プラスチック資源」として回収しているのは、多くの場合「容器包装リサイクル法」に基づく「プラスチック製容器包装」(プラマークがあるもの)です。

水筒そのものは「製品」であるため、このルールの対象外となります。

「製品プラスチック」をどう扱うかは、自治体の方針(燃やすか、埋めるか)によって変わってくるんですね。

パッキンや蓋の分別方法

パッキンや蓋の分別方法

ソトマグ

水筒を捨てるときの大原則として、「可能な限り分解して、素材ごとに分別する」というのがあるようです。

蓋(キャップ)や飲み口はプラスチック製、パッキンはゴムやシリコン製と、水筒は複数の素材でできていますからね。

異なる素材が混入すると、リサイクルの純度を下げてしまう原因になります。

蓋(キャップ)の捨て方

本体から取り外すよう指示されていることがほとんどです。素材によって分類が変わります。

  • プラスチック製の蓋 「プラスチック資源」または「可燃ごみ」「不燃ごみ」など、自治体のルールに従います。(例:大阪市ではプラ資源)
  • 金属製の蓋 「小さな金属類」や「不燃ごみ」など。(例:大阪市では資源ごみ)

パッキン(ゴム・シリコン)の捨て方

ゴム製やシリコン製のパッキンは、多くの自治体で「可燃ごみ」に分類されることが多いようです。

これも本体とは別にして、自治体のルールを確認してから捨ててくださいね。

ちなみに、パッキンは消耗品です。

メーカーから取り寄せも可能なので、汚れや緩みが気になってきたら交換するのもおすすめです。

本体はまだ使えるのに…という場合は、ぜひ検討してみてください。

(関連記事: 落ちない水筒のゴムパッキンの黒カビ対策!交換前に試すこと

また、後述するメーカーによる自主回収(リサイクル)では、水筒付属のポーチやカバーは明確に回収対象外とされています。

これらも「可燃ごみ」になることが多いですが、忘れずに取り外しましょう。

粗大ゴミになる基準サイズ

素材に関わらず、水筒のサイズが一定の基準を超えると「粗大ごみ」として扱われ、通常のゴミステーションには出せなくなります。

この「一定のサイズ」がまた、自治体によってバラバラなんです…。

よくある基準

  • 「一番長い辺が30cm以上のもの」(多くの自治体で採用)
  • 「一番長い辺が50cm以上のもの」
  • 「指定袋に入らない場合は『粗大ごみ』」(例:千葉市)

2リットル用の大きなジャグなどは、30cmを超えてしまう可能性が高いですね。

横浜市の二重基準(例)

横浜市は、素材とサイズを組み合わせた、より複雑なルールを採用しています。

  • 金属製品一番長い辺が30cm以上で粗大ごみ
  • プラスチック商品、木製品など 一番長い辺が50cm以上で粗大ごみ

これは、ごみ処理施設(破砕機など)の能力が素材によって異なるためです。

例えば、横浜市では40cmのプラスチック製水筒は「粗大ごみではない」ですが、40cmのステンレス製水筒は「粗大ごみ」に該当する、というわけです。

粗大ごみになった場合の処分手順

もし水筒が粗大ごみに該当する場合、一般的に以下のような手順が必要です。(※これも自治体により異なります!)

  • 自治体の「粗大ごみ受付センター」に事前申し込み(電話、インターネット、LINEなど)。
  • コンビニなどで、指定された金額の「粗大ゴミ処理手数料券(シール)」を購入する。
  • 手数料券を水筒に貼り付け、指定された収集日の朝に、指定場所へ出す。

手数料はかかりますが、ルールなので必ず守りましょう。

自治体によっては処理施設への直接持ち込みも可能な場合があります。

横浜市の場合:小さな金属類

自治体ルールの多様性を見るために、いくつか都市の例を見てみますね。

まず、先ほどから何度か出ている横浜市です。

横浜市の最大の特徴は、ステンレス製の水筒(サーモマグ含む)を「小さな金属類」という資源ごみとして回収している点です。

これはリサイクル意識が高くて、個人的にはとても良いなと思います。

  • 収集日 週1回、缶・びん・ペットボトルと同じ日
  • 注意点 ただし、金属製でも30cmを超えると「粗大ごみ」(有料)になります。

横浜市には「MIctionary(ミクショナリー)」という便利なごみ分別辞典サイトがあるので、迷ったら「水筒」と検索すればすぐに答えがわかります。こういうサービスは助かりますね。

素材別で水筒が何ゴミか分かる捨て方とリサイクル

水筒が何ゴミか分かる捨て方とリサイクル

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自治体によってルールが違いすぎる!というのが正直な感想ですが、このルールの違いにはちゃんと理由があるようです。

このセクションでは、なぜルールが違うのかという背景と、単純に「捨てる」以外の、環境にも優しいリサイクルやリユースの方法について、もう少し深掘りしてみました。

最終的にご自身でルールを調べる方法もまとめています。

大阪市の場合:不燃の小物

次に大阪市(東大阪市)の例です。

東大阪市の公式サイトにある「ごみ分別検索」で「水筒(ステンレス)」を調べると、「不燃の小物」として分類されていました。

これは月2回の収集のようです。

大阪市本体のサイトでは、水筒本体の明確な分類情報は見つけられなかったのですが、「資源ごみ」の出し方として、びんやペットボトルのキャップ(蓋)の分別を徹底するよう指示が出ていました。

大阪市も「素材ごとに分離する」という意識が強いことが分かりますね。

(2025年11月時点の情報です)

大阪市には「さんあ~る」というごみ分別アプリもあるようです。

自治体のゴミ分別サイトは、品目名で検索できる「ごみ分別辞典」を用意していることが多いので、それで調べるのが一番早くて確実です。

「水筒」で出ない場合は「金属」「プラスチック」で調べると良いかも。

メーカーによるリサイクル回収

メーカーによるリサイクル回収

ソトマグ

調べていて「これは良い!」「ぜひ利用したい!」と思ったのが、メーカーによる自主回収プログラムです。

SDGs(持続可能な開発目標)や「循環型モノづくり」の流れもあって、主要な水筒メーカーが自社・他社ブランドを問わず、使用済みステンレス製ボトルの回収を全国で拡大しているんです。

これは、純度の高いステンレス原料を確保するという資源確保の側面と、企業の社会的責任(CSR)を両立させる素晴らしい取り組みだと思います。

主なメーカーの取り組み

  • タイガー魔法瓶 全国の商業施設や自治体施設などに「使用済みステンレス製ボトル 回収ボックス」を設置しています(2023年6月時点で全国459カ所)。回収されたボトルは、ステンレス原料と、蓋などに使われるPP樹脂(ポリプロピレン)原料に再資源化されるそうです。
  • サーモス (THERMOS) 「使用済みステンレス製魔法びん 回収サービス」を全国で実施中です。対象はステンレス製魔法びん構造の製品(ボトル、タンブラー、スープジャー)です。(出典:サーモス ステンレス製魔法びん 回収サービス
  • 象印マホービン 大阪府大東市などで、自治体や小中学校と連携し、使用済みステンレスボトルの回収と資源循環の実証実験を行っています。

メーカー回収の重要注意点

これらの回収プログラムは、基本的に「ステンレス製魔法びん構造の製品本体」が対象です。

  • 水筒付属のポーチやカバー、箱絶対に入れないでください(回収対象外です)。
  • 蓋、パッキンは外して、本体のみを投入します。
  • ランチボックスや、電気回路を含む製品(電気ポットなど)も対象外です。

投入する前に、必ず各メーカーの公式サイトで詳細なルールを確認してくださいね。

自治体のルールを調べる手間なく、確実にリサイクルされるのが最大のメリットかなと思います。

お買い物のついでに回収ボックスに入れられるのは便利ですよね。

水筒は寄付できる?

水筒は寄付できる?

ソトマグ

まだ十分に使えるけど、デザインに飽きてしまったとか、家族が増えて容量が合わなくなった、という水筒もありますよね。

そうした場合、自治体のゴミとして「廃棄」したり、資源として「リサイクル」する前に、「リユース(再利用)」という選択肢を検討するのがおすすめです。

環境負荷の観点では、モノをそのままの形で使い続けるリユースが、最も環境に優しいと言われています。

NPO・支援団体への寄付

「中古品だからダメかな?」と思いがちですが、多少の使用感や小さなキズがあっても受け入れてくれるNPOや支援団体は複数あるみたいです。

  • KIFUcoco 事前連絡不要で寄付を受け付けています。極端に汚れた水筒でなければ回収可能とのこと。
  • 物品寄付で明るい社会を築く会 中古品や箱なしの水筒・魔法瓶を歓迎しており、「内側の多少のカルキ汚れ」や「外側の小さなへこみキズ」は問題なく回収対象となると明記しています。
  • ワールドギフト 寄付された不用品を海外支援に活用したり、国内でリユース・リサイクルし、その収益金を支援活動に充てています。

地域の掲示板サービス

ジモティー」などの地域の掲示板サービスを活用すれば、不要になった水筒を、近所で必要としている人に直接譲ることもできます。

地域のゴミ減量にも貢献できて、良い方法ですよね。

分別の理由は焼却炉の性能

さて、なんでこんなに自治体ごとにルールが違うのか、その根本的な理由が気になりませんか?

その理由は、各自治体が保有する「焼却設備(焼却炉)」の工学的な性能差に起因しているようです。

とくに金属、ガラス、陶器といった「不燃ごみ」は、焼却炉にとって「大敵」と言える存在なんだとか。

  • 燃焼効率の低下と有害物質リスク 不燃ごみは焼却炉内で燃えずに残ります。これらが可燃ごみに混入すると、炉内の温度が安定せず、ダイオキシン類発生のリスクが高まる可能性があります。
  • 設備の物理的損傷 金属やガラスは、焼却炉の炉壁や部品を物理的に損傷させ、修繕コストを増大させます。

この焼却炉の性能差が、各自治体の分別ルール(特にプラスチック製品の扱い)に直接反映されるんですね。

ケース 自治体の例 焼却炉の性能 プラスチック水筒の分類 ロジック
A 浜松市 など 高性能 可燃ごみ 高温で安全に焼却し、熱エネルギーを回収できる(サーマルリサイクル)。
B 千葉市 など 従来型 不燃ごみ 安全に燃焼させる能力が低い、または選別ラインが対応していない。埋め立てるしかない。
C 横浜市 など (リサイクル重視) (素材による) (金属水筒は)埋め立てず、価値ある資源として「小さな金属類」で回収する。

一見「面倒」に思える細かい分別ルールは、ダイオキシン発生の抑制、最終処分場(埋立地)の延命、発電効率の向上、そして焼却炉の修繕コスト削減といった、環境保全と経済合理性の両立に直結する重要な活動なんだと分かると、少し納得できるかも…しれません。

その水筒は何ゴミか調べる最終手順

いろいろ見てきましたが、結局、お住まいの自治体のルールに従うのが最終的な答えです。

水筒は何ゴミか、ご自身で正確に調べるための最終確認ステップを私なりにまとめてみました。

捨てる前に、ぜひこの5ステップを確認してみてください。

水筒を捨てる前・5つのチェックリスト

  • 【素材の確認】 捨てる水筒は「金属製(ステンレス)」か「プラスチック製」か? ガラス製か?
  • 【サイズの確認】 お住まいの自治体の定める「粗大ごみ」の基準(例:一番長い辺が30cm以上など)を超えていないか?
  • 【分解】 蓋、パッキン、ポーチ、カバーは取り外したか?(これらも個別に分別が必要です)
  • 【自治体サイトで検索】 「(お住まいの自治体名) ごみ分別 水筒」で検索しましたか? または、自治体公式の「ごみ分別辞典」や「ごみ分別アプリ」で品目名を確認しましたか?
  • 【代替案の検討】 まだ使える状態ではないか?(ステンレス製なら)メーカーの自主回収は利用できないか? NPOへの寄付はできないか?

面倒な作業ではありますが、ルールを守って正しく処分することが、環境負荷を減らすことにも、私たちの社会インフラであるごみ処理施設を長持ちさせることにも繋がるんですね。

最終確認のお願い

ゴミの分別ルールは、焼却施設の更新などに伴い、変更されることもあります。

この記事の情報はあくまで2025年11月時点の一般的な傾向や事例をまとめた参考情報としてご覧いただき、最終的な処分にあたっては、必ずお住まいの市区町村の公式ウェブサイトや、ごみ分別アプリ、自治体が発行するパンフレットなどで最新の情報を直接ご確認くださいね。

執筆者M
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最後までお読みいただきありがとうございました!

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