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落ちない水筒のゴムパッキンの黒カビ対策!交換前に試すこと

落ちない水筒のゴムパッキンの黒カビ対策!交換前に試すこと

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毎日使う水筒(マイボトル)、フタを開けたときに「あっ…」と気づく、ゴムパッキンの黒い点々…。

ちゃんと洗ってるつもりなのに、スポンジでこすっても全然落ちない。

水筒のゴムパッキンに黒カビが落ちないこの問題、本当にストレスですよね。

衛生的にも気になるし、この黒カビが体に悪い影響を与えないか、ちょっと心配になったりしませんか。

私も、重曹やクエン酸でこすってみたり、人気のオキシクリーンにつけおきしてみたり、色々試しました。

でも、うっすら残る黒い影…。

かといって、キッチンハイターのような強力な漂白剤を使うのは、ゴムが劣化しそうで怖いし、ステンレス製の水筒本体に使っていいものかどうかも迷うところです。

この落ちない黒カビは、もう諦めてパッキンを交換するしかないんでしょうか。

サーモスや象印、タイガーといったメーカーの部品って、そもそもどこで手に入るのか…。

この記事では、そんな「落ちない黒カビ」の正体から、私が調べた段階別の正しい洗浄方法、そして最終手段としてのパッキン交換のやり方まで、詳しくまとめていこうと思います!

ポイント

  • 落ちない黒カビの正体は「シミ」の可能性
  • 洗剤別(オキシ・ハイター)の正しい使い方と注意点
  • パッキンの寿命と交換すべきタイミング
  • 主要メーカー(サーモス等)の部品の探し方

水筒のゴムパッキンの黒カビが落ちない原因

まずは、なぜカビが発生してしまうのか、そして私たちが一番悩んでいる「なぜ洗っても落ちないのか」という根本的な原因から探っていきましょう。

ここが分かると、対策も見えてくる気がします。

落ちない正体はカビでなく色素沈着?

落ちない正体はカビでなく色素沈着?

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一生懸命こすっても「落ちない黒カビ」

実はこれ、すでに活動しているカビ本体ではなく、カビが作り出した色素がゴム素材の内部に深く染み込んでしまった「色素沈着(シミ)」である可能性が高いんです。

シリコンゴムは、スポンジのように見えないミクロの穴(隙間)がたくさん開いている素材なんです。

カビは、その隙間の奥深くまで菌糸(根っこ)を伸ばします。

私たちが漂白剤で殺菌できるのは、主に表面と浅い部分。

奥深くに到達したカビが死んでも、その「色」だけがタトゥーのように残ってしまう…。

これが「色素沈着」です。

この段階になると、衛生的には(菌は死んでいるので)問題ない可能性が高いんですが、見た目としては最悪ですよね。

カビ菌自体は、洗浄や漂白によって死滅している(衛生的には安全になっている)かもしれないんですが、一度素材の奥まで入り込んだ「色」だけが残ってしまっている状態ですね。

そもそも、なぜパッキンはカビやすい?

水筒のパッキン周辺は、カビが育つための3大要素が揃いやすい場所なんです。

  • 水分(湿気):フタを閉めると湿気がこもる
  • 栄養:お茶やスポーツドリンクのわずかな糖分やタンパク質の残り
  • 温度:カビが活動しやすい適度な温度

これらが揃うと、どうしてもカビの温床になりやすいんですね…。

なので、「使ったらすぐ洗い、フタを開けてしっかり乾かす」が最強の予防策になります。

その黒カビ、体に悪い?健康への影響

見た目が悪いのも嫌ですが、一番気になるのは「体に悪い影響はないの?」という点ですよね。

もし黒い点が「色素沈着」ではなく、まだ活動している「黒カビ」だった場合、それを飲み物と一緒に摂取し続けるのは、やっぱり健康上のリスクがあると考えた方が良さそうです。

もちろん、水筒に生えるカビの種類を特定するのは難しいですが、一般的にこういう湿った場所でよく見られる黒カビ(クラドスポリウムなど)は、胞子を飛ばします。

これらを吸い込んだり食べたりすることで、アレルギーの原因になる可能性はゼロではありません。

特に、一部のカビが作り出す「マイコトキシン(カビ毒)」というものもあって、これは熱に強いものもあると言われています。

微量だからといって、毎日摂取し続けるのは避けたい、というのが正直なところです。

カビによる潜在的な健康リスク

カビの胞子はアレルゲン(アレルギーの原因)になることが知られています。

人によっては、以下のような症状を引き起こす可能性が指摘されています。

  • アレルギー反応(鼻炎や喘息など)
  • 消化器系の症状(腹痛、下痢、吐き気など)
  • 免疫機能への影響

もちろん、微量ですぐにどうなるという訳ではないかもしれませんが、特に免疫力が落ちている時やアレルギー体質の方は注意が必要ですね。

ご注意くださいこれらは一般的な情報です。健康に関して具体的な不安がある場合は、必ず医療機関や専門家にご相談ください。

「シミ」なら安全かもしれませんが、見た目では区別がつきにくいですし、何より気分が良くない。

気づいた時点できちんと対処するのが一番かなと思います。

重曹やクエン酸での洗浄効果と限界

重曹やクエン酸での洗浄効果と限界

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カビ対策というと、まず「重曹」や「クエン酸」を使ったナチュラルクリーニングを思い浮かべる人も多いと思います。私もよくやります。

これらは確かに安全性が高く、食品が触れる水筒洗いには安心ですよね。

重曹・クエン酸が役立つ場面

じゃあ無意味かというと、そんなことはありません。彼らには得意分野があります。

  • 重曹:研磨効果があるので、パッキンの表面についたヌメリや茶渋を落とすのに役立ちます。ペースト状にして優しくこするのも良いですね。
  • クエン酸:アルカリ性の汚れ、つまり水道水に含まれるミネラルが固まった「水垢(カルキ汚れ)」を溶かすのが得意です。

ただ、残念ながら、ゴムの内部にまで入り込んだ「黒カビ」や「色素沈着」に対する除去能力は、ほとんど期待できないみたいです…。

黒カビには効かないと割り切った上で、日々のヌメリ取り(重曹)や、水垢で白っぽくなってきた時(クエン酸)のメンテナンスに使うのがベストですね。

頑固な黒カビには、やはりもう少し強力な洗剤の出番になります。

オキシクリーンでの正しいつけおき法

オキシクリーンでの正しいつけおき法

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そこで第一選択肢になるのが、「酸素系漂白剤(オキシクリーンなど)」ですね。

ステンレスボトルの本体にも使えるし、塩素系に比べて素材へのダメージも少ないのが嬉しいポイントです。

ただ、オキシクリーンを使っても「イマイチ落ちなかった」という経験、ありませんか?

その最大の原因、もしかしたら「お湯の温度」かもしれません。

酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)は、40℃から60℃のお湯で初めてその洗浄パワーを最大限に発揮します。

なぜこの温度が重要かというと、主成分の「過炭酸ナトリウム」が、この温度帯で最も活発に酸素(活性酸素)の泡を発生させるからです。

このシュワシュワした強力な泡が、カビや汚れに化学的にアタックしつつ、物理的に「浮かせて剥がす」働きをしてくれるんです。

冷水やぬるま湯では、このパワーが半減してしまうんですね。

オキシ漬けの正しい手順

  1. 分解する フタ、ゴムパッキンなど、外せるパーツはすべて外します。パッキンを外すときは、爪楊枝の背や専用のピックを使って、ゴムを傷つけないように優しく外してください。
  2. 溶液を作る(パーツ用) ボウルなどに40℃~60℃のお湯を張り、規定量(例:お湯1Lにオキシクリーン日本版スプーン1/4程度)を溶かします。しっかり溶かしきることが大事です。
  3. パーツをつけおき 分解したパーツを溶液に沈め、30分~1時間ほど放置します。汚れがひどい場合は、様子を見ながら少し延長してもOKです。(ただし、メーカー推奨時間を確認してください)
  4. 水筒本体も(フタは開けたまま!) 本体内部にも40~50℃のお湯と適量の漂白剤を入れ、フタをせずにつけおきします。茶渋なども一緒にキレイになりますよ。
  5. こすり洗い つけおき後、ブラシなどでパッキンの溝などを優しくこすり洗いします。100円ショップなどで売っている「すき間ブラシ」や、使い古しの柔らかい歯ブラシが便利です。
  6. すすぎと乾燥 漂白剤の成分が残らないよう、流水でよーくすすぎます。特にパッキンの溝は念入りに。その後、清潔な布巾で水気を拭き、風通しの良い場所で完全に乾かします。

水筒本体のつけおき中は絶対にフタを閉めない

酸素系漂白剤は、反応中に酸素ガスを発生させます。

水筒のような密閉容器のフタを閉めてしまうと、内部の圧力が異常に高まり、フタが勢いよく飛んだり、容器が破裂したりする重大な事故につながる危険があります。

これは本当に危険なので、絶対にフタはしないでください。

軽くラップをかける程度もNGです。必ず開放した状態でつけおきしてください。

ちなみに、この正しい方法でオキシ漬けをしても落ちない黒いシミ…

それが「色素沈着」の可能性大、ということになります。

キッチンハイターはパッキンに使える?

オキシクリーンでもダメだった場合、いよいよ最終手段として「塩素系漂白剤(キッチンハイターなど)」の登場が検討されます。

塩素系漂白剤は、カビを根絶やしにする最強の殺菌・漂白力を持っています。

黒カビにも効果は絶大です。

主成分の「次亜塩素酸ナトリウム」は、非常に強力な酸化作用とアルカリ性を持っています。

これがカビの細胞膜を直接破壊してくれるんですが、同時に、しなやかであるべきシリコンゴムの分子構造(ポリマー)も攻撃してしまうんです。

ただし、その使用には重大なリスクが伴います。

塩素系漂白剤のリスク(覚悟が必要)

  • ゴムの劣化:強力なアルカリ性と酸化作用で、シリコンゴムの劣化(硬化、弾力性の喪失、ひび割れ)を急速に早める可能性があります。ゴムが硬くなったり、最悪の場合ヒビが入って、密閉性が失われる原因になります。
  • 臭い移り:あの独特な塩素臭がパッキンに移り、洗っても取れなくなることがあります。飲み物の風味が台無しになることも…。

ハイターの使用は、「パッキンの寿命を縮めることと引き換えに、カビを強制除去する」という最終手段だと認識しておく必要がありそうですね。

水筒のゴムパッキンの黒カビが落ちない時の対策

水筒のゴムパッキンの黒カビが落ちない時の対策

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オキシクリーンでも落ちない、でも交換はまだしたくない…。

そんな時のための「ハイターの使い方」と、いよいよダメだった場合の「交換」について、具体的な対策を解説していきます。

最終手段、ハイターの安全な使い方

ハイターを使うと決めたら、安全には最大限の注意を払う必要があります。

必ずゴム手袋を着用し、十分な換気(窓を開ける、換気扇を回す)を行ってください。

『まぜるな危険』の徹底

塩素系漂白剤(アルカリ性)と、酸性タイプの製品(クエン酸、お酢、酸性洗剤など)が混ざると、人体に極めて有毒な塩素ガスが発生します。

最悪の場合、命に関わる重大な事故になります。

「クエン酸で水垢を落とした直後にハイター」なども絶対にNGです。

絶対に同時に使用しないでください。

(出典:厚生労働省『「まぜるな危険」って、ご存知ですか?』

使い方としては、素材へのダメージを最小限にするためにも「湿布法」がおすすめです。

A) つけおき法(全体的なカビに)

  • ボウルに水を張り、規定の希釈濃度(例:水5Lに対し、キャップ約2杯など、製品の指示に従ってください)で漂白剤を溶かします。
  • 分解したゴムパッキンのみを溶液に沈めます。
  • 放置時間は短めに(最大30分程度を目安に)。長くつけすぎると劣化が早まります。
  • 時間が来たらすぐに取り出し、ヌメリが完全に消えるまで流水で徹底的にすすぎます。
  • しっかり乾燥させます。

B) 湿布法(ピンポイント・推奨)

カビが部分的なら、こちらの方がダメージを抑えられます。

薬剤が直接触れる時間と範囲を限定できるため、ゴムへのダメージを最小限に抑えられる可能性があります。

  • キッチンペーパーを小さくちぎり、カビが発生しているパッキンの溝などに貼り付けます。
  • 上から薄めた塩素系漂白剤をスプレーなどで塗布し、浸透させます。(スプレーボトルに原液を入れ替えるのは危険なので、薄めた液をブラシなどで塗るのが安全です)
  • 薬剤が蒸発しないよう、上から軽くラップを被せます。
  • 15分~30分程度放置します。
  • 時間が来たらすべて取り除き、流水で徹底的にすすぎ、乾燥させます。

ステンレス水筒本体へのハイターは禁止

ステンレス水筒本体へのハイターは禁止

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これは何度でも言いますが、非常に重要なので独立した見出しにしました。

塩素系漂白剤は、ステンレス水筒本体の内部には絶対に使用禁止です!

塩素系漂白剤に含まれる塩素イオンは、ステンレスの表面をサビから守っている「不動態皮膜」というバリアを破壊してしまいます。

ステンレス(Stain-less = 錆びない)と言われるのは、この薄い透明なバリアで守られているからです。

塩素イオンは、このバリアに小さな穴(孔食)を開けてしまうんです。

一度穴が開くと、そこから内部の鉄が錆びて、もう元には戻りません。

また、内部のフッ素樹脂コーティングなども剥がしたり、劣化させたりする原因になります。

一度サビたりコーティングが剥がれた水筒は、保温・保冷性能が落ちるだけでなく、金属臭も発生し、修復は不可能です。

塩素系漂白剤の使用は、必ず「ゴムパッキンだけ」に限定してください。

パッキン交換の判断基準とタイミング

いろいろ試しても黒カビ(色素沈着)が落ちない…。

塩素系漂白剤を使ったことでゴムが硬くなった気がする…。

そんな時は、もう「交換」を検討するタイミングかもしれません。

多くのメーカーが「パッキンは消耗品です。1年を目安に点検し、必要なら交換してください」と推奨しています。

爪で軽く押してみて、弾力がなく硬くなっている感じがしたら、それも交換のサインですね。

以下のようなサインが見られたら、交換の合図かなと思います。

パッキン交換の目安

  • 塩素系漂白剤を使っても、黒いシミがどうしても落ちない。
  • 漂白剤の影響か、ゴムが硬くなったり、弾力がなくなったりした。
  • パッキンにひび割れや変形、欠けが見られる。
  • 洗ってもカビ臭さや塩素臭が取れない。
  • (そもそも水漏れするようになってきた)

衛生面や水筒の性能(密閉性)を維持するためにも、潔く交換するのが一番スッキリする解決策かもしれませんね。

サーモス製パッキンの交換部品の探し方

サーモス製パッキンの交換部品の探し方

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交換すると決めたら、次は部品の入手です。

まずはサーモス(THERMOS)から。

交換部品を探すために一番重要なのは、お使いの水筒の「品番(型番)」です。

サーモスの品番の確認方法

水筒本体の底に貼られている銀色のシールの、一番上の行に記載されていることが多いです。

(例: JNL-504, JNR-501, FJM-350 など)

※ポーチ付きの製品は、ポーチを外した本体の底を確認してみてください。

品番さえ分かれば、購入は難しくありません。

品番さえわかれば、Amazonなどで「JNL-504 パッキン」のように検索するのが手っ取り早いかもしれませんね。

象印・タイガーの部品入手方法

象印(ZOJIRUSHI)やタイガー(TIGER)も、基本的にはサーモスと同じです。

まずは「品番」を確認しましょう。

象印 (ZOJIRUSHI)

  • 品番の確認:本体の側面、背面、または底のシール、もしくは取扱説明書に記載されています。(例: SM-TA48, SM-KA36 など)
  • 部品の購入象印の公式オンラインストア(オーナー登録推奨)や、お客様ご相談センター(電話)での問い合わせが確実です。もちろん、Amazonなどでも品番検索でヒットします。

タイガー (TIGER)

  • 品番の確認:製品の背面や取扱説明書に記載されているアルファベットから始まる番号です。(例: MMX-A031, MCZ-S060 など)
  • 部品の購入タイガー魔法瓶の公式オンラインショップや、お客様サポート(電話・Web)で探せます。

どのメーカーも、品番さえ特定できれば、公式ストアや大手通販サイトで比較的簡単に入手できる印象ですね。

水筒のゴムパッキンの黒カビが落ちない悩み解決

さて、ここまで「水筒のゴムパッキンに黒カビが落ちない」問題について、原因から対策までをまとめてきました。

この問題、やっぱり根が深くて、「落ちない黒カビ」の正体はカビ菌そのものではなく、「色素沈着(シミ)」である可能性が高い、という点が一番のポイントでしたね。

最後に、対策ステップをおさらいします。

黒カビ対策のまとめステップ

  1. 【基本洗浄】酸素系漂白剤(オキシ等) まずは「40℃~60℃のお湯」で正しくつけおき。本体のフタは密閉禁止!これで落ちればラッキー。
  2. 【最終手段】塩素系漂白剤(ハイター等) オキシでも落ちない色素沈着に。「パッキンのみ」に限定し、ゴムの劣化覚悟で「湿布法」が推奨。本体は絶対NG!
  3. 【結論】部品交換 シミが取れない、ゴムが劣化した、ひび割れた…こうなったら衛生的にも安全のためにも潔く交換。

パッキンは消耗品、と割り切って、1年に1回は新しいものに交換するのが、結局は一番ストレスがなく、衛生的かもしれませんね。

そして何より、カビを発生させないためには、「使ったらすぐに洗う」「洗ったらしっかり乾かす」という毎日の地道なお手入れが、一番の予防策になるんだなと改めて思いました。

皆さんの水筒が、スッキリきれいになるお手伝いができれば幸いです!

執筆者M
執筆者M
最後までお読みいただきありがとうございました!

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