うんちく 水筒

サーモス水筒の機内持ち込み完全ガイド!国内・国際線の違いと対策

サーモス水筒の機内持ち込み完全ガイド!国内・国際線の違いと対策

ソトマグ

旅行の荷造りをしているとき、使い慣れたお気に入りのマイボトルを持っていくかどうかで迷うことはありませんか。

特に飛行機に乗るとなると、「保安検査場で没収されてしまうのではないか」、「上空で気圧が変化して中身が漏れるのではないか」といった不安が頭をよぎるものです。

また、国内線と国際線ではルールが大きく異なるため、事前に正しい情報を知っておくことが大切かなと思います。

サーモスや象印といった保冷温効果の高い水筒があれば、乾燥する機内での水分補給はもちろん、旅先での節約やエコにもつながるため、ぜひ活用したいアイテムです。

今回は私が実際に調べて体験した情報を、失敗談も交えながら詳しくまとめてみました。

ポイント

  • 国内線と国際線における水筒持ち込みルールの決定的な違い
  • 保安検査場をスムーズに通過するための準備と提示方法
  • 機内での気圧変化による水筒の水漏れを防ぐ具体的な対策
  • LCC利用時や赤ちゃん連れの旅行で役立つ水筒活用の知恵

国内線と国際線のサーモス水筒機内持ち込みルール

飛行機に水筒を持ち込む際に最も重要なのは、自分が乗る便が「国内線」なのか「国際線」なのかを明確に区別することです。

この2つでは、液体物に関する規制の厳しさが全く異なります。

ここでは、それぞれのルールと、保安検査場での立ち振る舞いについて詳しく解説します。

国内線なら中身入りで保安検査を通過できる

結論から言うと、日本の国内線であれば、水筒に飲み物が入った状態でも機内への持ち込みが可能です。

これは、JALやANAだけでなく、スカイマークやLCC各社であっても基本的に同じルールが適用されます。

国際線のような「100ml制限」は国内線にはありません。

ですので、自宅で入れたお茶やコーヒー、あるいは空港へ向かう途中で購入したジュースなどを、500mlのサーモスに入れて保安検査場を通すことができます。

「没収されるかも」と心配して、検査場の前で慌てて飲み干したり捨てたりする必要はありません。

【検査時の注意点】

中身が入っている場合は、保安検査員による確認が必要になります。

検査機器によっては、フタを開けて匂いを確認する「官能検査」や、専用の検査台(ボトルスキャナー)でのチェックが行われることがあります。

スムーズに進むよう、いつでもフタを開けられる準備をしておくと良いですね。

国際線は検査場へ入る前に中身を空にする

国際線は検査場へ入る前に中身を空にする

ソトマグ

一方で、国際線のルールは非常に厳格です。

国際的なテロ対策の一環として「LAGs(液体・エアゾール・ジェル)」の持ち込み制限があるため、100ml(g)を超える容器に入った液体物は、機内持ち込みが一切禁止されています。

ここで重要なのは、「中身の量」ではなく「容器の大きさ」も関係する点ですが、水筒の場合はシンプルに「中身が入っていればアウト、空ならセーフ」と覚えておくと良いでしょう。

お気に入りのサーモスを没収されたくない場合は、保安検査場の列に並ぶ前に、必ず中身を飲み干すか、液体廃棄ボックス(Liquids Disposal)に捨てて、「空のボトル」の状態にしてください。

空の状態であれば、それは単なる「金属の筒」として扱われるため、液体物制限の対象外となり、問題なく持ち込むことができます。

そして、検査場を抜けた後のクリーンエリア(搭乗待合エリア)にある給水器や売店で水を入れれば、機内に持ち込んで飲むことが可能です。

なお、詳しい規制の内容については、国土交通省の公式Q&Aなども参考にしてください。(出典:国土交通省航空保安対策室『国際線の航空機内への液体物持込制限について(Q&A)』

保安検査場で引っかからないスムーズな出し方

保安検査場での再検査は、時間のロスですし、後ろの人を待たせていると思うと焦ってしまいますよね。

特にステンレス製の真空断熱ボトルは、金属の密度が高いため、X線検査機を通した際に「中身が見えない黒い影」として映りやすいアイテムです。

この「黒い影」の中に、液体爆発物や危険物が隠されていないかを確認するため、カバンの中に入れたままだと高確率で「もう一度カバンを開けて見せてください」と言われてしまいます。

スマートに通過するためのコツは、以下の手順を徹底することです。

【国内線・国際線共通の通過マナー】

  • カバンから出す PCやタブレットと同様に、水筒もカバンから取り出して、トレーの上に単独で置きます。
  • 上着や他の荷物と重ねない 重なると画像解析ができず、再検査になる確率が高まります。
  • (国際線の場合)フタを開けておく等の配慮 必須ではありませんが、検査員に「中身は空です(Empty)」と伝えるとよりスムーズです。

最近導入が進んでいる「スマートレーン(CT型検査機)」では、「カバンから出さなくて良い」と案内されることもありますが、私の経験上、水筒に関しては出しておいた方が無難です。

エラーが出て再検査になるリスクを最小限に抑えられます。

アルコールや氷を入れた状態での制限事項

アルコールや氷を入れた状態での制限事項

ソトマグ

「旅先への移動中にお酒を楽しみたい」あるいは「氷をたっぷり入れて冷やしたい」という方もいるかもしれません。

しかし、これらには特有のルールが存在します。

内容物 国内線 国際線 注意点
持ち込みOK 持ち込みNG 国際線では氷も「液体物」とみなされます。保安検査前に捨てる必要があります。
アルコール(24%以下) 制限なし 100ml以下なら可 ビールや日本酒など。国際線は100ml制限があるため実質的に水筒での持ち込みは困難です。
アルコール(24%超〜70%以下) 5Lまで可 持ち込みNG 焼酎やウイスキーなど。度数確認ができないと没収される可能性があるため、小売容器のままが望ましいです。

特にアルコールに関しては、水筒に移し替えてしまうとアルコール度数の証明が難しくなり、検査に時間がかかる、あるいは安全確認が取れないとして持ち込みを断られるケースも考えられます。

お酒は機内販売や空港で購入したものを楽しむのが安心かなと思います。

LCCの手荷物重量オーバーを防ぐ軽量化のコツ

PeachやJetstar、ZipairなどのLCC(格安航空会社)を利用する場合、機内持ち込み手荷物の総重量が「7kg以内」に厳しく制限されていることが多いです。これ、意外とすぐに超えてしまうんですよね。

ステンレス製の水筒は、空の状態でも200g〜300g、中身を500ml入れると合計で800g近くになります。

これだけで手荷物許容量の1割以上を使ってしまう計算です。

もし重量オーバーしてしまうと、搭乗ゲートで高額な受託手荷物料金を支払うことになりかねません。

【LCC利用時の戦略】

国内線であっても、LCCに乗る際は「保安検査場までは空で持ち込む」のがおすすめです。

搭乗ゲート付近の待合エリアに入ってから(ここで重量を測られることは稀です)、給水器で水を入れることで、チェックイン時の重量オーバーを賢く回避できます。

サーモス水筒を機内持ち込みする際の漏れ対策と活用術

サーモス水筒を機内持ち込みする際の漏れ対策と活用術

ソトマグ

無事に機内に持ち込めたとしても、そこで油断は禁物です。

飛行機という特殊な環境下では、地上では起こり得ない「物理現象」によって、水筒から飲み物が漏れ出し、カバンや服を汚してしまうリスクがあります。

気圧の変化で中身が漏れるのを防ぐ方法

飛行機が高度1万メートル(33,000フィート)まで上昇すると、機内の気圧は地上よりも低い約0.8気圧(標高2,000メートルの山と同じくらい)に調整されます。

一方、地上の空港(1気圧)でしっかりとフタを閉めた密閉性の高い魔法瓶の内部は、高い気圧(1気圧)のまま保たれています。

この「気圧差(Delta P)」により、ボトル内部の空気が膨張し、内側から外側へ向かって強い圧力がかかります。

これが、いわゆる「気圧漏れ」の正体です。

【最も危険なのは「満タン」の状態】

液体を満タンに入れていると、膨張した空気の逃げ場がなくなり、液体そのものをパッキンの隙間から押し出そうとします。

機内に持ち込む際は、中身を7分目〜8分目程度に減らし、空気の層を作っておくことが重要です。

空気は液体よりも圧縮されやすいため、この層がクッションの役割を果たしてくれます。

また、離着陸時や飛行中は、必ずボトルを「垂直」に立てて収納してください。

座席前のシートポケットに入れるのが最適です。横倒しにして足元や棚のバッグに入れていると、液体が直接飲み口付近に触れるため、内圧で押し出されるリスクが格段に上がります。

機内での安全な飲み方とストロータイプの注意点

機内での安全な飲み方とストロータイプの注意点

ソトマグ

上空でいざ飲もうとしたときにも注意が必要です。

特に気をつけたいのが、ワンタッチで開くタイプやストロータイプのボトルです。

いきなりフタを全開にすると、高まった内圧が一気に解放され、「プシュッ」という音と共に飲み物が噴水のように飛び出すことがあります。これを防ぐための儀式として、「少しだけ緩めて圧を抜く」ことを意識してください。

  • スクリュータイプ: ゆっくりと回し、「シューッ」という空気の抜ける音が止まってから完全に開ける。
  • ワンタッチタイプ: ロックを外し、ボタンを半押し状態で一瞬止めてから、ゆっくりフタを上げる。

なお、ストロータイプの水筒は、構造上「噴水現象」が非常に起きやすいため、機内持ち込みには不向きです。

ストローの下端が液体に浸かっていると、膨張した空気が液体を押し上げ、ストローから勢いよく逆流してしまいます。

お子様用などでどうしても必要な場合は、離陸して巡航高度に達するまでフタを開けておくか、飲む直前に慎重に圧抜きをする必要があります。

空港内の給水スポットと洗い場の活用方法

最近の空港は、SDGs(持続可能な開発目標)の観点から「マイボトル専用の給水器(ウォーターサーバー)」が増えています。

例えば、羽田空港や成田空港、関西国際空港の出国後エリアには、無料で冷水やお湯を補給できるスポットが多数設置されています。

これを利用すれば、搭乗ゲート付近の自販機で高いお水を買う必要はありません。

出国審査を終えたら、まずは給水スポットを探してボトルを満たすのが私のルーティンです。

【洗い場問題の解決策】

飲み終わった後の「洗浄」は少し困るポイントかもしれません。

トイレの手洗い場は浅くて洗いにくいことが多いからです。

私は、1泊程度の旅行なら、空港では軽くすすぐ程度にしておき、ホテルに着いてからしっかりと洗うようにしています。

気になる方は、小さなスポンジと少量の洗剤(100ml以下の容器に入れたもの)を持参すると安心ですね。

赤ちゃんのミルク用お湯に関する持ち込み特例

赤ちゃんのミルク用お湯に関する持ち込み特例

ソトマグ

小さなお子様連れの方にとって、ミルク用のお湯は死活問題ですよね。

「液体物制限のある国際線でも持ち込めるの?」と不安になるかと思いますが、安心してください。

乳幼児(一般的に2歳未満)を同伴する場合に限り、ミルク用のお湯や液体ミルクは、100mlを超えていても機内持ち込みが可能という特例措置があります。

ただし、保安検査場では必ず「これは赤ちゃん用のミルクを作るお湯です」と検査員に申告してください。

サーモスに入れたお湯を提示し、場合によっては匂いの確認や検査機でのチェックを受けることで、問題なく通過できます。

日系の航空会社(JALやANAなど)では、機内でCAさんに頼めば調乳用のお湯をもらえることが多いです。

荷物を減らしたい場合は、保温ボトルは空で持ち込み、機内でお湯をもらうという方法も検討してみてください。

ただし、海外の航空会社ではお湯が有料だったり、水質が合わなかったりすることもあるので注意が必要です。

おすすめのサイズと洗いやすいボトルの選び方

おすすめのサイズと洗いやすいボトルの選び方

ソトマグ

機内持ち込み用に新しく水筒を購入するなら、以下のポイントを重視して選ぶのがおすすめです。

【1. サイズは500ml以下がベスト】

機内のシートポケットは意外と狭く、大きなボトルだと入らないことがあります。

500ml以下のスリムなタイプであれば、すっぽりと収まり、離着陸時の収納場所にも困りません。

【2. とにかく軽量なモデル】

広い空港内を歩き回る際、荷物は1gでも軽い方が楽です。

サーモスの「JNLシリーズ」やタイガー魔法瓶の「夢重力ボトル」など、200g前後の超軽量タイプは旅行の疲れを軽減してくれます。

【3. パッキン一体型で事故防止】

象印マホービンの「シームレスせん」のようにパッキンが一体化しているモデルは、旅行先での「パッキン付け忘れによる水漏れ事故」を構造的に防げます。

ホテルで洗った後にパッキンを失くす心配もないため、旅行用として非常に心強い存在です。

快適な旅のためサーモス水筒を機内持ち込みしよう

今回は、サーモスをはじめとする水筒を機内に持ち込む際のルールと活用術について解説しました。

国内線と国際線でのルールの違いを理解し、気圧対策さえしっかり行えば、マイボトルは空の旅をより快適にしてくれる最高の相棒になります。

乾燥した機内でのこまめな水分補給は、脱水症状やエコノミークラス症候群の予防にも役立ちますし、何より使い慣れたボトルで飲む一杯は、旅の疲れを癒やしてくれるはずです。

ぜひ次回の旅行には、お気に入りの水筒を連れて行ってあげてくださいね。

※本記事の情報は執筆時点のものです。

航空保安規制は状況により変更される場合があるため、ご出発前には必ずご利用の航空会社や空港の公式サイトで最新情報をご確認ください。

執筆者M
執筆者M
最後までお読みいただきありがとうございました!

-うんちく, 水筒