うんちく タンブラー

アルミタンブラーのデメリットは?やけどや結露、健康への影響を解説

アルミタンブラーのデメリットは?やけどや結露、健康への影響を解説

ソトマグ

軽くて見た目もクールなアルミタンブラーですが、購入を検討する際にデメリットや体に悪い影響がないか気になっている方も多いのではないでしょうか。

実は私自身、デザインに惹かれて手に取ったものの、使い始めてから意外な弱点に気づいた経験があります。

特に熱いコーヒーを入れたときの持ちにくさや、冷たい飲み物を入れたときの結露、さらには食洗機が使えないといったメンテナンスの手間は、日常使いで気になるポイントですよね。

また、アルツハイマーとの関連性や、酸性の飲み物を入れた際の中毒リスクなど、健康面での不安を感じている方もいるかもしれません。

この記事では、そんなアルミタンブラーの気になる点について、私の体験や調べた情報を詳しくまとめてみました。

ポイント

  • 熱伝導率の高さが原因で起こる「やけど」や「結露」の具体的なトラブル
  • 食洗機使用不可の理由と、やってしまいがちな手入れの失敗例
  • 金属成分の溶出による味の変化や、健康への影響に関する正しい知識
  • 酸性飲料や炭酸など、アルミタンブラーに入れてはいけない飲み物のリスト

知っておくべきアルミタンブラーの主なデメリット

お店でよく見かけるアルミタンブラーですが、実際に使ってみると「あれ?思ってたのと違うかも」と感じるシーンがいくつかあります。

その原因の多くは、アルミという素材が持つ特殊な性質にあるんです。

ここでは、普段使いで特に気になりがちなデメリットについて、私の経験も交えながら詳しくお話ししますね。

熱い飲み物でやけどする熱伝導率の高さ

熱い飲み物でやけどする熱伝導率の高さ

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アルミタンブラーの最大の特徴でもあり、同時に最大の弱点ともいえるのが「熱伝導率の高さ」です。

この数値、なんとステンレスの約15倍、鉄の約3倍も熱を伝えやすいといわれています。

これがどういうことかというと、熱々のコーヒーやお茶を注いだ瞬間、その熱エネルギーが一瞬でカップ全体に広がってしまうんです。

取っ手がついているマグカップ型ならまだマシですが、取っ手がないシンプルなタンブラー型の場合、注いだ直後は素手ではとても持てないくらい表面温度が上昇します。

私も以前、キャンプで沸騰したてのお湯をアルミマグに注ぎ、無意識に側面を掴んでしまって「熱っ!」と悲鳴を上げたことがあります。

「アツアツの飲み物を入れたいけれど、スリーブ(断熱カバー)をつけるのは面倒」という方にとっては、この熱伝導の良さはかなり厄介な性質になるかなと思います。

注意

特にお子さんがいるご家庭では気をつけてください。

見た目は普通のコップに見えるため、熱さが伝わりにくい状態でうっかり触ってしまい、やけどをしてしまうリスクがあります。

結露がひどくデスクが濡れる問題

夏場に氷たっぷりの冷たい飲み物を入れたとき、アルミタンブラーは驚くほど大量の「汗」をかきます。

これも熱伝導率が良いせいで、中の冷たさがダイレクトに表面に伝わり、周囲の空気中の水分が急激に冷やされて水滴になるからです。

真空断熱構造のステンレスマグなら結露しないような場面でも、アルミ製(特に一般的な単層のもの)だと、ものの数分でテーブルが水浸しになってしまいます。

コースターを敷けば解決するようにも思えますが、実はそう簡単ではありません。

結露の量が多いと、コースターがびしょ濡れになって吸水しきれなかったり、グラスの底にコースターが張り付いて持ち上がり、飲む瞬間に落下して大惨事になったりすることも。

デスクワーク中にうっかりパソコンや重要な書類の近くに置いてしまうと、垂れた水滴で電子機器を故障させたり、書類を濡らしてしまったりする危険性があるため、オフィスでの使用には細心の注意が必要です。

保温性がなく氷がすぐに溶ける理由

保温性がなく氷がすぐに溶ける理由

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「タンブラー」という響きから、なんとなく魔法瓶のように温度を長時間キープしてくれるイメージを持っている方もいるかもしれません。

ですが、一般的なアルミタンブラーには、そこまでの保温・保冷力はないことが多いんです。

熱が伝わりやすいということは、言い換えれば「中の熱が外に逃げやすく、外の熱が中に入りやすい」ということです。

そのため、熱い飲み物はすぐに外気と同じ温度まで下がってぬるくなりますし、冷たい飲み物の氷はあっという間に溶けてしまいます。

陶器のマグカップやガラスのコップと比較しても、同等かそれ以上に温度変化が早いと感じるはずです。

「仕事中、時間をかけてゆっくり温かいコーヒーを飲みたい」といった用途には、正直あまり向いていない素材といえます。

補足

最近は「真空断熱」を謳うアルミ製品もゼロではありませんが、アルミは強度が低いため製造が難しく高価だったり、強度を保つために壁が厚くなってアルミの良さである「軽さ」が失われていたりと、一長一短あるのが現状です。

食洗機が使えず変色や劣化を招く

忙しい毎日、洗い物はすべて食洗機にお任せしたいところですが、残念ながらアルミタンブラーの多くは食洗機NGです。

これには明確な化学的理由があります。

一般的に、食洗機用の洗剤は油汚れを強力に落とすために「アルカリ性」の成分(炭酸塩など)が含まれていることが多いのですが、アルミはこのアルカリ性に非常に弱いんです。

もし間違って食洗機で洗ってしまうと、表面を保護しているコーティング(アルマイト加工)が化学反応を起こして剥がれてしまいます。

その結果、表面が白く粉を吹いたようになったり(白化現象)、まだらに黒ずんだりしてしまいます。

一度変色してしまうと、どんなに磨いても元には戻せません。

「手洗いが面倒だな」と感じる方や、ご家族がうっかり食洗機に入れてしまう心配があるご家庭では、大きなデメリットになるかなと思います。

金属の味がしてコーヒーがまずくなる

繊細な味覚を持っている方や、コーヒーやワインの風味を大切にしたい方にとって、アルミタンブラーは少し相性が悪いかもしれません。

アルミはイオン化傾向が高く、微量ですが水分に溶け出しやすい性質があります。

これが飲み物の味に影響を与え、独特の「金気(かなけ)臭い」味や渋みを感じさせることがあるんです。

特に、酸味のあるスペシャルティコーヒーや、果実味のあるワインなどは影響を受けやすく、本来の香りや味が変わってしまうことがあります。

実際にバリスタの方などでも、味の変化を避けるためにアルミ以外の容器を推奨するケースがあるほどです。

「コーヒーは道具で味が変わる」とよく言われますが、味や香りにこだわりたい方は、陶器やガラス、あるいは味への影響が少ないチタン製の容器を選んだほうが無難かもしれません。

アルミタンブラーの健康面と腐食のデメリット

アルミタンブラーの健康面と腐食のデメリット

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次に、多くの方が検索し、心配されている「健康への影響」や、素材としての「腐食リスク」について深掘りしていきます。

「体に悪いの?」「どんな飲み物がダメなの?」といった疑問を、正しい知識でクリアにしていきましょう。

体に悪いと言われるアルツハイマー説

「アルミの鍋や容器を使うとアルツハイマー病になる」という噂、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

これは昔からある説で、不安に感じてアルミ製品を避けている方もいるかもしれません。

これについては私も気になって詳しく調べてみたのですが、現在ではWHO(世界保健機関)やEFSA(欧州食品安全機関)などの国際的な専門機関が、「アルミニウムの摂取がアルツハイマー病を引き起こすという明確な科学的根拠はない」という見解を示しています。

私たちが普段の食事や飲み物から摂取したアルミニウムのほとんど(99%以上)は、体に吸収されずにそのまま排出されるそうです。

ですので、普通にアルミタンブラーを使っている分には、過度に心配する必要はないといえそうですね。

(出典:食品安全委員会『アルミニウムの危険性、表示について』

ポイント

ただし、腎臓の機能が低下している方(透析を受けている方など)は、アルミニウムを尿としてうまく排出できない可能性があるため、医師の指導に従って使用を控えるなどの注意が必要です。

スポーツドリンクによる中毒リスク

アルツハイマー説よりも、現実的に気をつけたいのが「酸性飲料による金属中毒」です。

こちらの方が即座に体調不良に繋がるリスクがあります。

実は、スポーツドリンクのような「酸性」の飲み物を、内部に傷がついた金属製容器に長時間入れておくと、アルミニウムや銅などの金属成分が過剰に溶け出すことがあります。

実際に東京都などの報告によれば、古くなった金属製の水筒にスポーツドリンクを入れて飲んだ子供たちが、吐き気やめまい、頭痛などを訴えた食中毒の事例が存在します。

新品でコーティングがしっかりしている状態ならまず問題ありませんが、長く使って内側に傷がついているものや、酸性の飲み物を何時間も入れっぱなしにする使い方は避けたほうが賢明です。

入れちゃダメな酸性の飲み物とは

入れちゃダメな酸性の飲み物とは

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では、具体的にどんな飲み物を避けるべきなのでしょうか。

アルミタンブラー(特に内面のコーティングが傷んでいるもの)に入れると、腐食や金属溶出のリスクが高まる「要注意な飲み物」をリストアップしてみました。

飲み物の種類 避けるべき理由とリスク
果汁ジュース (オレンジ、グレープフルーツ等) クエン酸などの酸が強く、アルミの酸化皮膜を攻撃して溶かす原因になります。味が苦くなることもあります。
乳酸菌飲料 (飲むヨーグルト等) 酸性度が高く、金属の溶出を招きやすいです。また、隙間に入り込んで腐敗しやすい点もリスクです。
お酢系ドリンク (黒酢、ビネガー等) 酢酸が含まれており、アルミにとっては大敵です。短時間でも変質する可能性があります。
スポーツドリンク 疲労回復のための「酸」と、水分補給のための「塩分」の両方を含んでおり、腐食のリスクが高い組み合わせです。

これらの飲み物を持ち運びたい場合は、内部がフッ素コーティングされた専用のボトルや、ステンレス製、ガラス製、プラスチック製の容器に移し替えて飲むのが安心かなと思います。

炭酸を入れると破裂する危険性

「炭酸対応」とパッケージに明記されている専用ボトル以外、普通のアルミタンブラーに炭酸飲料を入れるのは非常に危険です。

特に密閉できる蓋(スクリューキャップなど)が付いているタイプの場合、振動や温度変化で炭酸ガスが気化し、容器内部の圧力が急激に高まることがあります。

その結果、蓋がガチガチに固まって開かなくなったり、開けた瞬間に蓋が弾け飛んで顔に当たったりする事故につながる恐れがあります。

アルミは柔らかい金属なので、圧力で底が変形して不安定になることも。

また、炭酸水自体も弱酸性なので、長時間の保管は金属溶出の観点からも避けたほうが無難ですね。

サビや黒ずみが発生する手入れの難点

サビや黒ずみが発生する手入れの難点

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アルミは「サビない」と思っている方もいるかもしれませんが、条件が悪ければ腐食します。

特にアルミの天敵となるのが「塩分」です。

お味噌汁やスープ、昆布茶など塩分濃度の高いものを入れると、「孔食(こうしょく)」といって、アルミの表面に針で刺したような小さな穴が空く腐食が起こりやすくなります。

また、毎日のお手入れにも注意が必要です。

茶渋を落とそうとして金たわしや研磨剤入りのクレンザー、あるいは重曹(アルカリ性)を使ってゴシゴシ洗うのはNGです。

表面の保護膜が削れて傷だらけになり、そこから黒ずみやサビが発生してしまいます。

デリケートな素材なので、柔らかいスポンジと中性洗剤で優しく洗ってあげる必要があります。

アルミタンブラーのデメリットと選び方

ここまでアルミタンブラーのデメリットを色々と書き連ねてきましたが、もちろん「圧倒的に軽い」「冷たい飲み物を入れた瞬間のヒンヤリ感が最高」といったアルミならではの魅力もあります。

キンキンに冷えたビールを注いで、ぬるくなる前に短時間で飲み干す!といった用途にはこれ以上ないくらいピッタリなんですよね。

ただ、もし皆さんが「職場のデスクで長時間ホットコーヒーを飲みたい」とか「ジムにスポーツドリンクを持って行きたい」「食洗機でガンガン洗いたい」と考えているなら、アルミ製よりも保温・保冷に優れたステンレス製(特に真空断熱タイプ)や、金属アレルギーの心配がなく味も変えないチタン製を選んだほうが、ストレスなく長く使えるかなと思います。

見た目のデザインだけでなく、ご自身のライフスタイルや「何を飲むか」に合わせて、最適なタンブラーを選んでみてくださいね。

この記事が少しでもその参考になれば嬉しいです!

執筆者M
執筆者M
最後までお読みいただきありがとうございました!

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