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お気に入りのタンブラーで飲むコーヒーやスムージーは格別ですが、ふとストローの中を覗いたときに「あれ、何か黒い?」と汚れが気になったことはありませんか。
実はタンブラーやストローの洗い方に関しては多くの方が悩んでおり、特に中が見えないステンレス製や極細のストローは、知らず知らずのうちに汚れが溜まりやすいので注意が必要です。
「毎回ブラシで洗うのは面倒だけど、水洗いで大丈夫?」
「ハイターや泡スプレーを使えば、こすらなくてもキレイになる?」
「そもそも、ストローっていつ交換すればいいの?」といった疑問を持つ方も多いでしょう。
今回は、100均(ダイソー・セリア)や無印良品などの身近な道具の徹底比較から、頑固な茶渋を落とす「オキシ漬け」の手順まで、清潔に使い続けるためのコツを詳しくご紹介します。
ポイント
- ストロー内部の汚れを落とすための基本的な「物理洗浄」と「化学洗浄」の違い
- 専用ブラシがない時に家にあるもので代用する緊急テクニック
- カビや臭いを防ぐための正しい乾燥方法と交換時期の目安
- 毎日のケアを楽にするおすすめの洗浄ツール選びのポイント
タンブラーやストローの基本となる洗い方と道具
タンブラーの本体はスポンジで簡単に洗えますが、細長いストローは「どうやって洗うのが正解なのか」が最も分かりにくいパーツですね。
まずは、汚れが落ちる仕組みをしっかりと理解し、手近な道具や専用ツールをどう使い分けるべきかについて見ていきましょう。
ストローをブラシなしで洗う際のリスクと限界

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「水で勢いよく流せば、中の汚れも一緒に流れていくはず」と思っている方は意外と多いかもしれません。
しかし、残念ながらそれだけではストロー内部の汚れを完全に落とすことは難しいのです。
見えない膜「バイオフィルム」の恐怖
ストローの内側には、飲み物の糖分やタンパク質、そして私たちの口から逆流したわずかな唾液が付着します。
これらが混ざり合うと、細菌が増殖して「バイオフィルム(菌膜)」というヌルヌルした薄い膜を作ります。
キッチンの排水溝のぬめりをイメージすると分かりやすいですが、このバイオフィルムはバリアのように機能するため、水流に対する抵抗力がとても強く、単に水を流すだけでは壁面にへばりついたまま残ってしまうのです。
注意点
特にスムージーなどの繊維質を含む飲み物や、カフェラテのような乳成分を含む飲み物は要注意です。
これらは乾燥するとセメントのように固まってしまい、物理的にブラシでこすらない限り、除去するのは困難になります。
ブラシを使わずに洗い続けると、見えないところで菌が繁殖し、ある日突然「黒いカス(カビの塊)」が出てきたり、変な臭いがしたりする原因になってしまいます。
やはり、基本は「物理的にこする」ことが大切なんですね。
綿棒やこよりを代用してストローを洗う方法
旅行先やオフィスなどで、「専用ブラシが手元にないけれど、どうしても今洗いたい」という場面があるかと思います。
そんな時に役立つのが、身近なアイテムを使った代用テクニックです。
1. 綿棒を使ったスポット洗浄
一般的な綿棒は、タピオカ用などの太いストローには少し細すぎるかもしれませんが、汚れが最も溜まりやすい「飲み口付近」を重点的に落とすには最適です。
逆に、細めのストローであれば、「ベビー用綿棒」が意外と奥まで入っていい仕事をします。
数本束ねて輪ゴムで留めると、太さの調整も可能です。
2. キッチンペーパーで作る「こより」洗浄
もう一つは、キッチンペーパーを使った「こより法」です。
これは、単に汚れを落とすだけでなく、洗浄後の水気を拭き取る手段としても非常に有効です。
こより洗浄の手順
- キッチンペーパー(水に強いタイプ)を細長く切り、ねじって丈夫な「こより」を作ります。
- ストローに通し、両端を持って「デンタルフロス」のように往復させます。
- 内部の水分や汚れを拭き取ります。
普通のティッシュペーパーだと、濡れた時にちぎれて中に詰まってしまう恐れがあるので、必ず破れにくいキッチンペーパーを使ってください。
ダイソーやセリアなど100均グッズの活用術
専用の道具を揃えるなら、まずは100円ショップをチェックしてみるのがおすすめです。
最近の100均はクオリティが高く、ダイソーやセリアには便利なストロー洗浄グッズが充実しています。
ダイソー:コスパ重視のセット
ダイソーの「ストロー洗いブラシ」は、ロングタイプとショートタイプ、あるいは太さの違うブラシがセットになっていることが多く、コストパフォーマンスが抜群です。
ブラシの毛は硬めのアクリル繊維などが多く、こびりついた汚れをガシガシとかき出してくれます。
消耗品と割り切って、汚れが目立ってきたらすぐに買い換えられる気軽さが魅力ですね。
セリア:機能性とデザイン
一方、セリアには、極細のブラシが含まれている「注ぎ口・ストロー洗い」や、モノトーンのおしゃれなデザインのものが揃っています。
特に細いステンレスストローや、複雑な形状の飲み口パーツを洗うのに適しています。
キッチンに置いておいても悪目立ちしないシンプルさは、セリアならではの嬉しいポイントです。
泡スプレーだけでストローの汚れは落ちるか検証

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最近人気の「キュキュットCLEAR泡スプレー」のような泡タイプの洗剤は、ストロー洗浄の救世主になり得るのでしょうか。
結論から言うと、「毎日の簡易ケアには最強ですが、万能ではない」といったところです。
泡スプレーの素晴らしい点は、濃密な泡がストローのような垂直な管の中でも留まってくれることです。
液体の洗剤だとすぐに流れ落ちてしまいますが、泡なら内壁に張り付き、汚れにじっくり浸透して浮かせることができます。
スプレーして1分ほど置いてから流すだけで、軽い油汚れやコーヒーの色素などはかなりスッキリします。
| 洗浄方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| ブラシ洗浄 | 固着した汚れやバイオフィルムを物理的に剥がし落とせる。 | 手間がかかる。ブラシ自体の洗浄・乾燥管理が必要。 |
| 泡スプレー | とにかく手軽。平日の忙しい時でも数秒でケアできる。 | 茶渋や、乾燥して固まった重度の汚れは完全には落ちない。 |
個人的には、平日は泡スプレーで手早く済ませ、週末にブラシを使ってしっかり洗うという「ハイブリッド方式」が、無理なく続けられるコツかなと思います。
無印のブラシや汎用ブラシで隅々まで洗う
少しこだわりたい方には、無印良品やニトリ、マーナといった生活雑貨ブランドのツールも選択肢に入ります。

無印良品・公式イメージ
無印良品の「隙間掃除シリーズ・ポイントブラシ」は、ストロー全体を通すことはできませんが、飲み口の細かい溝やパッキンの隙間を洗うのに絶大な威力を発揮します。
痒い所に手が届くような使用感はさすが無印といったところでしょう。

AFUUFA・公式イメージ
あとは、個人的には『AFUUFAのストローブラシセット』がオススメで、扱いやすいシンプルな作りと、10本セットでとても安価で購入できるため、アイデア次第で様々な用途で使えて便利です。
タンブラーやストローの衛生的な洗い方とカビ対策

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見た目がきれいでも、なんとなく臭いが取れなかったり、ゴムパッキンに黒い点々ができたりすることがあります。
ここからは、より衛生的に使い続けるための「ディープクリーニング(徹底洗浄)」と、カビを防ぐ対策について解説します。
毎日洗うべき?ストロー洗浄の頻度と交換時期
「今日はお水しか飲んでいないから、洗わなくていいか」と思ってしまうこともありますが、衛生面を考えると洗浄は「毎日」が基本です。
口をつけた瞬間から、唾液を通じて菌の移動は始まっています。
また、水道水のミネラル分が乾いて水垢(スケール)になると、表面がザラザラになり、それが菌の足場になってしまいます。
「水洗いだけ」の日を作らず、必ず洗剤を使ってケアしましょう。
交換の目安(レッドフラグ)
ストローは「一生モノ」ではなく「消耗品」です。以下のサインが出たら交換を検討しましょう。
- シリコーン製:黒ずみが取れない、ベタベタする、裂け目がある
- プラスチック製:細かい傷で白く曇ってきた、変色している
- ステンレス製:金属臭が強くなった、内部にサビが見える
特に小さなお子さんがストローを噛んでしまう場合、その傷は菌の温床になりやすいので、1〜3ヶ月程度での早めの交換を検討したほうが良いかもしれません。
ストロー内部の黒カビはハイターで除去できるか
シリコーンゴムのストローやパッキンに発生する黒い点、いわゆる「黒カビ」は非常に厄介です。
これには塩素系漂白剤(キッチンハイターなど)が有効です。
泡タイプのハイターをカビ部分に密着させ、数分置いてから洗い流すことで、カビの根を叩くことができます。
黒カビ対策でハイターの使い方については『水筒のキッチンハイター洗浄は危険?ステンレスへの注意点とカビ対策』の記事でも詳しく解説していますので、ぜひご確認ください。
ステンレス製品への使用は絶対NG!
ただし、ここで最も注意が必要なのは「金属パーツ」への影響です。
ステンレス製のタンブラーやストローに塩素系漂白剤を使うと、表面の保護被膜(酸化被膜)が破壊されてしまい、サビや腐食、保温不良の原因になります。
塩素系漂白剤の禁止について
大手魔法瓶メーカーの公式発表でも、塩素系漂白剤の使用は「サビや穴があく原因になる」としてはっきりと禁止されています。
(出典:タイガー魔法瓶『マイボトルの正しいお手入れ方法』)
ステンレス製ストローの場合は、塩素系ではなく、次に紹介する「酸素系漂白剤」を使用するようにしてください。
頑固な茶渋や臭いにはオキシ漬けが効果的な理由

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コーヒーの着色汚れ(ステイン)や、なんとなく染み付いた臭いを取りたい場合は、「酸素系漂白剤(オキシクリーンなど)」によるつけ置き、通称「オキシ漬け」が最もおすすめです。
酸素系漂白剤は、お湯(40〜60℃)に溶かすと発泡し、その泡の力と酸化力で汚れを浮き上がらせて分解します。
塩素系と違ってステンレスへの攻撃性が低いため、安心して金属製のタンブラーやストローを漬け込むことができます。
オキシ漬けの簡単ステップ
- ボウルなどに40℃〜50℃のぬるま湯を用意します。
- 規定量の酸素系漂白剤を溶かします。
- 分解したストローやパッキンを入れ、20〜30分ほど放置します。
- 流水でよくすすぎます。
驚くほど汚れが浮いてきて、水ですすぐとキュキュッとした清潔さが蘇ります。
週に1回の週末ケアとして取り入れると、気持ちよく新しい週を迎えられますよ。
オキシクリーンを使った詳しい洗浄手順や注意点については、以下の記事で解説しています。
【関連記事】落ちない水筒のゴムパッキンの黒カビ対策!交換前に試すこと
黒カビを防ぐための正しい乾かし方と保管のコツ
洗うことと同じくらい、いや、それ以上に大切なのが「乾燥」です。
湿った状態が長く続くと、カビの胞子が付着してあっという間に増殖してしまいます。
ストローのような細い管は自然乾燥しにくいのが難点ですが、早く乾かすためのコツがあります。
遠心力を使う
洗った直後にストローの端をしっかりと持ち、誰もいない方向へ向かってピュッ!と強く振って中の水滴を飛ばします。
これだけで乾燥時間が大幅に短縮されます。
斜めに立てる
伏せて置くときは、密閉されないように斜めに立てかけたり、網棚や珪藻土スティックの上に置いたりして、空気の通り道を確保します。
お湯で仕上げる
最後に熱湯をかけると、気化熱で水分が蒸発しやすくなります
(※耐熱温度を確認してください)。
完全に乾くまでは組み立てず、バラバラの状態で保管するのがカビを防ぐ一番の近道ですね。
衛生管理に最適なストローブラシセットの選び方

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ここまで様々な洗浄方法をご紹介してきましたが、やはり「適切な道具」を持つことが、面倒な洗浄作業を楽にし、衛生状態を保つための鍵となります。
特に私が重視しているのは、「極細から太めまで対応できるサイズ展開」と「衛生的に保管できる素材」です。
例えば、単にブラシがついているだけでなく、洗浄後の乾燥スタンド機能が付いていたり、異なる径のブラシがセットになっていたりするアイテムは非常に便利です。
もし、これから本格的にマイストローのケアを始めようと考えている方や、今のブラシにしっくりきていない方は、一度専用のクリーニングセットを検討してみるのも良いかもしれません。
複数のブラシを使い分けることで、ストロー内部の隅々まで確実にブラシが届き、洗い残しを防ぐことができます。
まとめ:タンブラーやストローの洗い方決定版
タンブラーとストローの衛生管理は、少しの手間で劇的に変わります。今回のポイントを整理しましょう。
まとめ
- 毎日のケア:平日は「泡スプレー」を活用しつつ、必ず完全に「乾燥」させること。
- 週一のケア:週末は「ブラシ」を使って物理的にこすり洗いをする。
- 定期リセット:落ちない汚れや臭いには「オキシ漬け(酸素系)」で一掃する。塩素系はステンレスにはNG!
- 道具選び:ストローのサイズに合ったブラシを選び、ブラシ自体も消耗品として交換する。
「洗うのが面倒」と感じていた作業も、汚れが落ちる仕組みと正しい道具を知れば、意外とシンプルなルーティンになります。
ぜひ、今日から実践して、清潔で美味しいドリンクライフを楽しんでくださいね。
※本記事で紹介した漂白剤や洗浄方法を行う際は、必ず各製品の取扱説明書や注意書きを確認し、素材の耐熱温度や耐薬品性をチェックした上で、自己責任にて行ってください。